私的には、基本的なコンセプトとして最低でも次のコンサンサスが必要であり、大前提であると考えています。何故なら、既存の量的な開発での行き詰まりを改善するためには質的な開発への切換が大前提だからです。

  • お金をかけて壊し新しいものをつくるのでなく、今ある建物をどう活かすかという意識を共有化する
  • 建物は動体活用する。(使って残す)その折、外装はそのままにする
  • 古いモノに対する価値評価について主観的でなく客観的に若い感性を取り入れる
    1. 第一ステップ
      • サンプルづくり
        • 江戸〜明治期の建物でのモデル的な改装及び活用事例の実施。
      • 登録文化財制度の活用
        • 大社通りに残る旧家の指定
        • 旧中仙道街道沿い(湯田町、旧中村邸界隈)の指定
      • 識者による講演会もしくは座談会(勉強会)
    2. 第2ステップ
      • 公的資金もしくはまちづくり基金(仮称)による、建物の借り上げと改造
      • 改造した建物の賃貸(住居もしくは店舗)⇒コミュニティビジネスによる創業
      • まず、第1ステップのポイントは、今まで染み付いた「量的開発」からの方向転換です。

そのためには、言葉で示すより、まず「かたち」で示すことが大切だと思います。
これは、私的には、匠プロジェクトは一店舗目に改装を行ったときの経験からの結論です。これは、幾ら理屈で色々言うより、一店舗を作った後、周囲の商店街の人達の見る目が好意的に変わった体験からきています。また、同様に、登録文化財制度の活用により、ひとつの価値作りの指標ができます。
つまり、道路をつくるにしても、文化財という肩書きがあれば簡単には壊せない状況は作れるのです。さらに、イタリアの町づくりや、登録文化財制度に詳しい識者の講演で、意識付けを図ります。
第2ステップのポイントは、建物を借り上げることで所有者の収入を確保し、改造することで建物の質的価値をあげることです。また、この建物を安価に賃貸することで、若年層の中心街への移住なり起業を促すことで連鎖的な人の流れを呼び込みます。また、物件の質的価値が上がることで、対象地域の地価を上げることにつながり、長い目でみれば総合的な経済活性化になります。
尚、この内容を第2ステップとしているのは、このための原資が公金または基金を使用する可能性が高くその確保のためには若干の猶予が必要と考えます。