日本装飾美術学校見学会

2003年7月9日 PM2:00〜

  1. 工房見学

    初期デザイン、壁(ステンドグラス)、ガラス、陶器、鉄、木工のそれぞれの工房を見学させて戴きました。
    広く明るい空間が特長的で、のびのびと製作活動をされている印象でした。
    使用している棚や机も安価な材料で手作りで作ったものを使用されていましたが機能的にデザインされている印象でした。

  2. 小黒校長との話
    • この学校を創立されたコンセプトは、単に芸術家を育てるのではなく生活や産業に密着したものづくりができる、工房を営むような人材を育てて行きたいと考え学校を起こしたとのことです。当初生徒は数名でしたが現在40名、理念を形にして見せて行くことの大切さを話されていました。
    • また、まちづくりについても、校長先生がヨーロッパ滞在が長かった経験からオーストリアのザルツブルグのような街(工房とまちづくりが一体化させる)をイメージしていたとのことです。私どもの理念やプランについても大変興味をもたれて是非色々やっていきましょうという話になりました。校長として、作品づくりをしてそれを売ることでの社会とのコミュニケーション体験の場を持ちたいと考えられていたとのことで、匠事務所での将来的な常設や販売も含めた話を是非進めたいとのことでした。
      取り急ぎ31日の御田町宵祭りでのスポット参加について前向きに検討したいとの話いただきました。

  3. 職人技術について

    江戸時代のように、世の中の価値観が固定されて300年も継続すれば職人技術の粋を極め熟成させるのに十分な時間とそれに対する経済的な価値が維持できますが近年のように世の中の価値観がめまぐるしく変わっていく時代では職人技術を極めて且つ経済的な維持していくのに非常に難しい環境であると考えられています。
    ただ技術は現代の記録技術を使ってきちんと記録しておけばいくらでも復活でき、また、年配の職人さんからそのノウハウを聞き出してその中に必要な情報をピックアップして新しい用途へ展開していくようなアレンジの作業が必要とも考えられています。また、そのためには、技術はあくまでも道具(手段)であり、それを必要とする(使う)人の感性やスキルが大切だと熱く話されていました。